近年の内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)による診断技術の進歩はめざましく、がんが胃の粘膜にとどまっているがん(早期胃がん)の発見が増加しています。前述の通り、胃がんの手術療法は、胃切除+リンパ節郭清が基本ですが、お腹を開けずに内視鏡で胃がんを取る技術(内視鏡的粘膜切除:EMRといいます)も進歩しました。また、それと併行して早期胃がんの研究が進み、リンパ節転移の少ないタイプの胃がんがどのようなものかがわかってきました。リンパ節郭清は手術でしか行えませんが、リンパ節転移していない胃がんにはリンパ節郭清の必要がなく、内視鏡治療(EMR)を行うことで、完全に胃がんが治癒することになります。
 この内視鏡治療(内視鏡的粘膜切除:EMR)の中でも、まだごく一部の病院でしか行われていない、ITナイフという器具を用いた方法によって、当院で治療した早期胃がんの症例が先日ありましたので、ご紹介いたします。(治療は、胃がんの内視鏡治療専門医により行われました)
〜早期発見・早期治療のススメ〜 

このように、胃がんに限らず、どのがんに対しても、予防・早期発見・早期治療が大切です。当院では、迅速な検査による早期発見と適切な診断に基づいた早期治療を心がけております。

・・・など、当院内科および外科で、早急に内視鏡検査(胃カメラ)などを行い、もし病気が見つかりましたら、それに対する適切な治療を行いますので、一度受診されてはいかがでしょうか。

 胃がんは日本では最も多いがんです。この胃がんを撲滅するために組織された日本胃癌学会により、2001年に胃がん治療のガイドラインが作成されました。このガイドラインは、胃がんの診療にあたる医師や研究者のためにつくられたものと、一般の方のために専門用語を使わずに分かりやすく書いたもの(下図参照)とがあります。
 当院では、このガイドラインに基づいた、胃がんの進み具合に応じた標準的な治療を実施しております。例えば、胃がんの治療としては、手術療法が一般的で、その方法は、胃にできたがんを取る胃切除術と、胃の周囲に転移(飛び火)している、または、しているかもしれないリンパ節を取るリンパ節郭清とを同時に行います。高度に進行している胃がんでは、抗がん剤を用いた化学療法などを併用したり、胃を取る手術ができないほど進んでいる場合には、化学療法のみ行うことや、食事を取れるようにしたり、がんからの出血を防ぐ目的で、バイパス手術を行うこともあります。
胃がんとリンパ節
上図:胃切除術とリンパ節郭清
左図:内視鏡治療(内視鏡的粘膜切除術)
金原出版株式会社
胃がん治療ガイドラインの解説一般用2001年12月版
当院での胃がん検査と治療について